中国の分割出願と遅延審査制度

 昨年の台湾専利法改正以後、分割出願について主要国において最も特殊な取扱いをしているのは日本ではないかと思います。拒絶審決後に分割出願ができないとか、審判段階で特許になった場合に分割出願ができないというのは、外国の出願人には理解されにくい点であると思います。外内ケースを担当する場合には、クライアントが日本の分割出願について理解していないということを前提に、様々なタイミングで分割出願をすべき旨の提案をするべきです。

 ただ、中国の分割出願についても特殊であるため、日本の出願人はしっかりとその特殊性について理解をしておくべきです。

 中国では、いわゆる孫出願は、親出願が分割出願な状態であるか、子出願に単一性違反の拒絶理由がある場合にのみ行うことができます。したがって、孫出願を行う可能性がある場合には、子出願の分割出願時に、単一性違反を受けるような特許請求の範囲に補正しておく必要があります。

 ところで、2019年11月1日施行の審査指南では、孫出願を行う際の要件がわずかに厳格化(というか明確化)されました。その詳細には触れませんが、この審査指南改正では、同時に、遅延審査制度が新設されました。 遅延審査制度は、審査請求時に1年~3年の間で審査を遅らせられる制度ですが、現地代理人に聞いたところ、子出願においても遅延審査の請求は可能であるとのことでした。

 したがって、子出願の分割出願時に、単一性違反を受けるような特許請求の範囲に補正しておくと共に、その審査請求時に遅延審査を請求しておけば、少なくとも3年間は、孫出願の機会を確保し続けることができるようです。これはひ孫出願においても同様なので、中国では分割で出願をペンディングさせ続けるのは非常に容易になったといえます(とはいっても、このような分割出願が増えたらまた改正されてしまう気もしています)。

この投稿へのコメント

コメントはありません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。

トラックバック URL